紀伊半島ツアー2006の報告書です。
    今回は、12月29日の報告です!




□12月29日;

<走行記録>
天気;雪時々晴
距離;153.40km
最高時速;47.5km/h.
平均時速;21.6km/h.
ルート ;
奥伊勢木つつ木館〜国道42〜荷坂峠熊野古道〜国道42〜紀伊長島マンボウ〜国道42〜道の駅海山〜馬越峠熊野古道〜尾鷲〜国道42〜道の駅熊野きのくに〜くまのPA〜国道42〜〜道の駅パーク七里御浜〜道の駅ウミガメ公園〜新宮〜熊野速玉大社(世界遺産)〜国道168〜県道45〜川湯野営場〜仙人風呂(冬限定)
宿泊  ;川湯温泉野営場;800円、設備一応整っている。キャンパー多し。
入浴  ;川湯温泉、共同浴場。250円。川湯温泉の露天風呂は無料。

<道路情報>

・ 多くの古道は国道42へ並行。多くはダートや石畳。
・ 国道42の伊勢長島〜熊野間はアップダウン多い。
・ 国道168、熊野本宮方面のトンネル完成している。(2006)

<報告書>

大紀からは、紀伊長島を目指して走った。

朝は凍るように寒かったが、
走り始めるとだんだん身体も温まってくる。

朝日が山の端から顔を出し、
痛いくらいに横顔に眩しくて、
ぼくは、まだ疲れて重い体を引きずりながら、南へ下っていった。



この辺りの国道には熊野古道が並行していて、
荷坂峠、馬越峠などは、古道へそのまま入れた。

荷坂峠がダートで自転車でも行けたのに対し、
馬越峠は石畳で、自転車は下においていく形になった。

古い石畳には
コケがびっしり敷き詰められ
あたりは昼なのに薄暗い檜林。

時折、木々の間からのぞく太陽の光で
ふっと、現実に戻された。

夢を見ているかのような、
石畳のどこへもなく続く道。

熊野大社へと続く道だ。

 


□熊野古道、馬越峠


この深い山の中とは打って変わって
熊野市からは海辺を走る快走路になる。

ここにはあの有名な獅子岩をはじめ、七里御浜など海ならではの観光スポットが点在し、
自然に進むスピードも速くなった。

新宮にて、速玉大社を見学した。
ここは、熊野三山の中では飛びぬけて色鮮やかな社殿を持っている社だ。
朱色に塗られた社殿に、
深緑の木々や、
風にはたなびく竹が映える。

年末なので人こそ少なかったが、
一番、雅、という言葉が似合うのはここなのではないだろうか?



□熊野速玉大社


さて、
ここから電車で家に帰るつもりだったおーしまさん。

しかし、
マクドナルドで昼食をとっていた折、
マップルの、とあるコメントを見て、全てが変わってしまった・・・

「仙人風呂」
―――『川湯温泉の河原に11月〜2月までの期間限定で設けられる無料の大露天風呂』

そして、
―――無料。混浴。

無料!!
混浴!!!!!

その瞬間、ぼくは電車に乗ることも忘れて
マクドナルドを飛び出し
北へ向かった。

目指すは川湯温泉!

川湯温泉は、熊野本宮より少し離れた場所に湧く温泉郷で、
河原を掘れば湯が湧くという一風変わった趣を売りにしている温泉である。

この時期には、仙人風呂という、無料混浴の温泉が作られるらしい

国道168はのぼりで、風も向かい風。

かなりきつかった、が!
無料、混浴―――この言葉に魅せられて、ぼくは全力で疾走していた。

いや、
違うんだ。

別に、混浴にこだわるわけでもなんでもないんだ。
むしろ、興味ない。

が!
明日は本宮に参る(であろう)と思うのに
この3日風呂に入っていない身体で参るのは多少気がひける。

ここは、仙人風呂にて煩悩を洗い流し、
綺麗な心と身体をもって、参拝に臨むべし!!

そう!
いわば、この入浴は禊であり、祓であるのだ!

混浴などは、全く、ぼくの神聖なる精神には関係なく、
おまけ、余興、あってもなくてもよいものなのであった。

こうしてぼくは向かい風の中、

「無料ぉぉぉっ!
 ・・・・・・こん、混浴ぅぅぅぅっ!!!」

を合言葉に、全力を出し切ったのだった。



しかし、
現実はあまりにいつも残酷であった。

「実は先日の雨で風呂が流されちゃってねえ」と地元の方はおっしゃった。

ふ、風呂が流される???

そんな・・・

「明日、もう一度、作って掃除するから・・・」

ばかな・・・

なんのためにここまで走ってきたと思ってるんだ!
ぼくの、混浴はどうなる?
どーなるんだーーー!!!

仕方ないので、共同浴場へはいって
自らの煩悩を洗い流したのであった。

(ちなみに、朝起きて仙人風呂によって見れば、本当にショベルカーで作ってた・・・)
   ↓



□川湯、仙人風呂(翌朝撮影)


  


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