日本縦断ツアーの報告書です。
    今回は、北海道編、8月22日の報告です!






□8月22日;「始まりの終わり」

<走行記録>
天気;雨のち晴れ
距離とアップ;81km、100up
最高時速;34.0km/h.
平均時速;18.0km/h.
ルート ;稚内〜宗谷岬
宿泊  ;稚内モリシパユース(連泊)
入浴  ;同上

<道路情報>

・国道238は、風がすさまじい。途中の道路標識にロシア語とか書いてあったりする。そう、この先はもうサハリンなのである。

<報告書>

その先には、なにもなかった。
その先には、ただ、海が広がっていた。
大勢の観光客の喧騒も、
打ち寄せる波の音も、風も、
なにもかもが、
すっきりと消え去り、
時が止まり、
そして、動き出した。

なにかが終わって、
なにかが始まった。

そんな、旅の終わり。


さて、
さてさて、
いよいよさすがに今日で日本縦断も終わり。
長かったな〜、という気持ちもあり、
でも、
短かったな〜、という気分もする。
とにかく、
今日で終わりである。
朝早く、
ぼくは一人でユースを出た。
北へ向かうのは、
今日で最後である。

途中で、
昨日、別れたKくんと再会した。
やはり、目的地が同じだと、(しかも道も同じだと)
必然的に再会できるらしい。
同じユースに泊まっていた、東京からの先輩チャリダーさんと、
Wくんも合流し、4人は、北の果てへ歩を進めた。

稚内まできたら、
もう勝った気分になってしまうが、実は、ここから宗谷岬までは
けっこう、距離がある。(30キロくらい)
しかも、
風が殺人的に強い。
ここが最後の踏ん張りどころなのである。

最後の5キロで、ぼくは3人から離れて、
最後の全力疾走を試みることにした。
宗谷岬へ全力で走りこんでいく、それは、この旅の中で自分が思い描いた、理想のゴールシーンである。
だが、 あまりにもの風の強さに、
すごく疲れる羽目になった。
やっぱ、ラストスパートは、最後の1キロくらいにとどめておくべきだ。

うねり、うねる、丘を抜け、
その先に見えたものは、
沢山の観光バスと、
道路の曲がり角と、
その過度に立つ、
一つの碑。

この国の地の果ての碑。

ダッシュで駆け込んで、
息を切らしながら、
観光客の間から、
その石の塊と、
なにもない大海原を仰いだ時、
ぼくに流れる時間はかくして、すっ、と止まった。

 


□宗谷岬


その後、みんなと合流し、
とりあえず、集合写真を撮って、
おみやげ物をたっぷり買って、
「日本最果ての店」なる店で
どう考えても、ぼったくられているとしか考えられない、
そんな、バカ高い昼飯を食べて、
そして、
宗谷岬のあの、碑の前で、
各々写真をまた撮って、……。

ユースに帰ると、
荷物搬送の準備や(やはり郵便局が最高に安い)
飛行機の便の確認や
(というか、あと4席しか開いてなかった!)
みやげ物の選別と足りない分の補充に追われた。

明日、
ここを発って東京の我が家へと向かうのだ。

旅は、終わった。
ううむ。
なんというか、色々あったなあ。
でも、
終わった気がしないなあ、というのが正直な感想。
次、
また旅に出たい。
どこかわからないけれど、また。
そんな気持ちで一杯になったので、
今日は
旅が終わった日であり、
何かが始まった日でもあるのだ。

北海道の夏は短い。
ユースの外はあまりにも寒かった。
もう、2005年の夏も終わりなのだ。



□記念写真!


  


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