日本縦断ツアーの報告書です。 今回は、中国編、8月5日の報告です! |
□8月5日;「瀬戸内旅情」 <走行記録> 天気;晴れ 距離とアップ;157.5km、400up 最高時速;49km/h. 平均時速;20.1km/h. ルート ;広島〜呉〜安浦〜竹原〜三原〜尾道〜福山〜笠岡 宿泊 ;祖父の家 入浴 ;祖父の家 <道路情報> ・ 国道185;アップダウン、意外に多い。でも、2号線を突破するよりはまし。呉にある休山トンネルには快適な歩道がある。 ・ 国道2号;三原〜笠岡間;非常に走りやすい。尾道〜福山手前はバイパスではなく、旧道を通る。 <報告書> 旅の途中に、長く休憩を入れると、もう、出発したくなくなるのはぼくだけだろうか? この春、東海道〜山陽道〜九州一周の長旅の際に、家でゆっくり休憩したら、もう再出発したくなくなってしまったことがあるので、今回の旅では、もっとゆっくりしていけ、との親の声に従わず、2日後に出発した。 朝、自転車の様子を見に行ってみると、なんとスローパンクしていた。 後ろの荷物が多かったのか、小さなガラス片が刺さっているのだろう。 とりあえず、空気だけ入れて出発した。 マンションの周りを散歩している方々に応援されながら、ぼくは今日の目的地である、笠岡を目指す。 朝の、瀬戸内海をまったりと走る。 そして、初めの大きな街、呉に着いた。 呉は、元々軍港の街で、今でも、海上自衛隊や、アメリカ軍の基地があったりする。 ぼくはここに来るまでの道、(国道31)が好きなので、よく浪人の頃はこの道をママチャリで走っては現実逃避をしたものだ。 呉は、日増しに、新しくなっていく街で、今は、海岸のほうの整備が進んでいる。 特に、呉港は完全リニューアルされていて、けっこう驚いた。 ここから国道185へ入った。 なだらかなアップダウンが続く道だ。 丘を登りきると目の前には青々とした空と瀬戸内海と島々。 視界の中を占有するのは、海ではなく島といった感じなくらい、ここらへんは島が多い。 晴れていたので、非常に快適に走ることが出来た。 また、この道は、海縁だけを走るわけではなく、山の中もがっつり走っていく。 それゆえに、潮の香りと、山の蝉しぐれを両方味わうことの出来る、そんな贅沢な道なのだ。 安浦という小さな町を過ぎると、やがて、風早の浦、という場所に着く。 ぼくが幼かった頃、初めて、ひとりで電車に乗って、祖父の家に帰ったことがある。 そのとき、呉線からのきれいな景色が観たくて、わざわざ時間的に早い山陽線を使わずに、呉線で帰ったのだ。 あれも、今日と同じような暑い夏の日で、蝉が電車の中ですらうるさく感じられるほど鳴いていた。 特に読む本も持ってきていなかったので、ぼくはひとりで窓から外の景色を見ていたのだ。 すると電車は、ある駅に止まった。 止まったのはちょうど改札口の前で、その改札口の先には、駅舎からの四角い大きな出口があり、そこから外が見えた。 出口の先には、小さな広場と屋根のついた門のようなものがあって、それが額縁のようになってそのさらに先の風景を映し出していた。 その狭い空間に見えていたものは、古びてはいるがそれでも生き生きと夏の日差しに光っている建物数軒と、真っ青な海だった。 その景色があまりに美しくて、眩しくて……。 ……という、記憶があって。 まあ、それたいそう感動したので、今回もこうやって、もいちど自転車で来てみた。 駅は、ちょうどちょっとした高台の上にあって、そこから瀬戸内海と牡蠣棚が、さらりと視界に入ってくる。 記憶と、実際再び来て見たその景色には、隔たりがあったが、それでも、どこか懐かしく温まる感じがあった。 |
竹原の町に着いた。 この町はその名のとおり竹がシンボルの町で、街路樹も竹だったりする。 かぐや姫の発祥の地!みたいな感じで、いたるところにかぐや姫が見られる。 街並み保存地区に指定されている、本当にきれいな町なので是非行ってみて欲しいと思う。 人当たりもよく、犬の散歩をしている人や、工事の人に呼び止められては、応援を受けた。 ここからは、少し小さな峠があるが、それも、問題なく過ぎて、そして、三原へとぼくは向かう。 三原から尾道はそう遠くはない。 ―――尾道。 ぼくはこの町がかなり好きだ。 いろんな映画の舞台にもなってきた、瀬戸内の小さな港町。 そのいまとなっては古い風景がすき。 のんびりした雰囲気も好きだ。 この日は暑くて暑くて、仕方ないのでそう外でのんびりもしていられなかったが、それでも、思わず立ち止まってみたくなる、そんな町ではある。 (もちろん、尾道ラーメンを食べた) そうして福山。 この山陽道はぼくにとってはなじみの道だから、そう気張ることもなくすいすいいける。 コンビニで休憩を取っていると、チャリダーさんにあった。 ぼくと同い年くらいのその人と、色々話した。 話の話題の中心は、やはり、「暑いね〜〜」ってコト。そのくらい、この日は暑かった気がする。 祖父の家に着いた。 小さな海と深い山に囲まれた集落がぼくの故郷だ。 自然に溢れ、いつまでも、変わらない、そんな閉鎖的で永久的なところ。 祖父母は歓迎してくれ、ぼくもヒグラシの鳴く中、墓参りなどを済ませた。 もう日暮れ時だったので、いつも正月にするように先祖からの600年分の墓に参る時間は到底なかった。 仕方ないので、世話になった曽祖母の墓だけにお参りをした。 願ったことは、もちろん交通安全!で。 さあ、明日はどこまでいけるのやら。しばらく晴れは続きそうだ。 |
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