日本縦断ツアーの報告書です。
    今回は、北陸編、8月9日の報告です!






□8月9日;休憩取るのは今しかない!

<走行記録>
天気;晴れのち曇り
距離とアップ;120.45km、500up
最高時速;41.0km/h.
平均時速;19.0km/h.
ルート;敦賀〜河野〜福井〜東尋坊〜福井
宿泊;福井青年会館ユース;公的宿泊施設で個室。受付の方すごく親切!ランドリーは少し離れたところにあり。
入浴;ユース

<道路情報>

国道8;トラックが多く、トンネルも多く、アップも多く、そして工事も多く、歩道がない。という最悪なパターンが敦賀でたあとしばらく続く。そのあと、だんだん走りやすくなっていく。
県道28〜県道229〜県道417〜県道229;福井までの県道、走りやすい淡々と。
県道5〜国道416〜県道103〜県道7;緑溢れる平地。風は強かった。

<報告書>「休憩取るのは今しかない!」

朝、昨日の一件でかなり疲れたぼくは、とりあえず、敦賀の町を出ることにした。
交番の前で朝食を取るのもなんなので、買い弁にして港で取ることにした。
敦賀は色々あった町だったが、それでも、ここの人は優しい人が多いと思う。
朝から、散歩中のおばあさんやおじさん、おばさんなどに声をかけられ、応援を受ける。
ラジオ体操をして、さて、これからいよいよ本格的な北陸だ。

北陸。
そのイメージはぼくには未知数だった。
ずっと広島の街、そしてその周りしかしらないぼく。
まして、北陸などといえば、まさに未踏の地だった。東北もそうだ。なんというか、なにがあるか分からない、そんな場所。
その北陸の最初のイメージは荒れ狂う海、小雨の舞う絶壁の海岸線、そして、トンネルとトラック、これだった。
福井へ向かう国道8号だ。
ここはかなり辛い。
道の駅河野でへとへとになって寛いでいると、4バックのチャリダーの先輩発見!
先輩は東京から北海道一周、そして下ってここまで来たらしい。
トンネルがありえませんよう、っていうと、北海道はもっと壮絶だよ、とアドバイスをいただいた。
先輩、その通りでしたよ。北海道は。
さて、先輩を記念写真をとって、ぼくも福井へ出発。
さっきまでの重そうな雲は風に流され、晴れ間が見えてきていた。

福井の町についた。
中心部にくるまでに、工事現場のおじさんなど、道行く色々な人に応援されて、この町の評価はいきなり急上昇だった。
さて、ユースを発見して、荷物だけ置かせてもらい、それから東尋坊へ行くことにした。
ここからだと40キロピストンになるが、そのあまりの美しさは全国に響いている。
今日は、休憩日という位置づけを勝手にして、まったり走れば疲れないだろうと、踏んだのだ。
ユースに入ると、まず「失礼ですが」という前置きをして性別を聞かれた(涙)
男性であることを証明し、ついでに東尋坊への道を聞く。
これがまた、ユースの係りの人はみんな親切で、東尋坊への行き方から、温泉から何からいろいろ教えてくれた。

 


□霧の越前海岸


東尋坊までの道はおおよそ平地だ。
あたりには水田、それも夏の真っ青な稲穂がみどりの風になびく、そんなうっとりする水田風景が一面に広がる。
海が近くなるにつれ、風がとても強くなるが、それを除けば最高の道である。
東尋坊まではちょっとしたアップがあるが、それに十二分に見合うだけの景色がそこにはあった。
―――青。
ずっと、青だった。
こんなに美しい、純粋な、けして原色では表せないだろうけれど、それでもぼくがイメージする青にもっとも近い、理想的な青で、そこは彩られていた。
息が詰まる、そんな感じだ。
そして、海はまぶしすぎるくらいに輝いていた。
それが視界の端から端までずっと続く。
ああ、きてよかった、そんなふうに素直に思えるそんな場所だった。
ここは自殺の名所だという。
しかも、「ここから飛び降りてください」というスポットが確実に断定できて、それがまた怖い。
確かに、晴れている日はいいが、雨や、曇りで波が荒れている日にくると、鬱になりそうかも?
でも、今日は晴れだ。
ただ、そこは美しい。それだけで十分だ。

ユースに帰る途中、予想外なパンクが起きた。
なんと、この前、パンクした穴が、実は大きくて、そこからチューブがはみ出していたのだ。
これは、まずい。
とりあえず、スローパンクだったので、ユースまで粘って、そこでタイヤとチューブの間にガムテープを重ねた板を挟むことで円満な解決を得た。この技はぼくのオリジナルで意外に使えるので、いままで会った色々な旅人さんが取り入れてくれていたのだが、実は、この方法、やがて、ガムテープが痛んでくるので、定期的(2週間に一回くらい)の交換が必要だとわかった。先輩方、すみません。この方法、案外使えなかったかも知れないです。w

さて、福井では、お城の公園でゆっくりまったりした。
あたりは県庁からの仕事帰りの方たちで、公園内だというのにせわしない。
でも、どうしてか心がほっと落ち着いた。
時々、そんな場所っていうのはあって、全く知らない土地なのに、どうしてか、知っている、なんだか落ち着く、そんな場所があって、旅をしている醍醐味っていうのは、そんなとびっきりの自分の場所をみつけることにあるなあ、って思ったりする。
福井、それはそれはいい町だった。
夜は、ユースのロビーで、ライダーさんたちと旅の話をして盛り上がった。
初めての北陸、その夜はとても穏やかだった。


□東尋坊からの眺め


  


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