バレンタインラン報告書

 

     総距離 ;135.17km

     総アップ;200upという名目でしたがそんなの嘘。実際には500upはあったかと。

     最高速度;48.0km/h

     タイム ;6時間1317

     実際時間;9時間20

     平均速度;21.8km/h

 

     概要;2005214

 

214日はバレンタインデーだということは、誰でも知っていると思います。

この忌まわしき日に、チョコレートが貰えないことがもはや濃厚となった今!ぼくに残された道は一つしかありませんでした。胸を締め付ける切なさ(刹那さ)、耐え難い恋への衝動…そして、哀れ僕はひとり放浪の旅に出たのです。

家にいたら、どんなことをするのかは、いまさらにいわじ、です。最後まで希望を捨てないことを性分としている僕は、お誘いメールに淡い期待を抱いて、何度もケータイの受信箱をチャックしたり、さらに、センター問い合わせを5分に1回はしたり、挙句の果てに「新着メールはありませんでした」の表示を一日に200回くらい見ることになり、あまつさえ東大図書館にわざわざ行って、運命的な出会いや、ありえない奇跡を待ってじっと引きこもってしまったりするのでしょう。

 そんなことにならないためにも、一切の煩悩を捨てて、自らをこれから始まる厳しい旅の準備もかねて、日帰りランにでも出てはどうか、と思ったのが全ての始まりだったというわけです。

 て、今回のプランは三浦半島を一周するというものです。いきなりな思い付きでしたが、なによりも、実際に東海道、山陽道、そして九州を制覇しに行くに当たって、合宿装備がどのくらいのものなのか、実際に走ってみてどのくらい負担となるものなのか知るのが目的です。バレンタインという現実から逃げるのも目的です。

 んなわけで、晴れて214日、朝650に出発。実際には合宿装備は思ったより軽かったです。夏合宿のほうがずっと重かったな〜、とか思いました。でも、スタンドがこれ程度の重さに耐えかねて、速攻で折れてしまったのには萎えました。ちなみにその後、曲がりきったスタンドを力ずくで元に戻して、再利用しています(笑)

 ずは、多摩川サイクリングロードと沿岸道路を飛ばしました。しかし、サイクリングロードが思ったより飛ばせないんです。それなのに無駄に頑張って飛ばしてしまい、後から疲れてしまったので、東海道の時にはまったりと行きたいです。焦りが最大の敵ですから。さて、その調子で平均時速25キロを維持したまま川崎へ、そして横浜へと向かいました。いわゆる、京浜第一号です。でも、思ったより、酷くはなかったです。もっと高速っぽいのかと思ってました。ここでも、順調に40キロくらいで飛ばして、あっという間に横浜です。そして、まったりと、市内を走って、久しぶりに、(なんと3年ぶりに)山下公園に行きました。天気は真っ青な快晴。この日は雲ひとつ見ることはありませんでした。気温も暖かく、いよいよ春かな、という感じでした。あ、ちなみに港の見える丘公園は行きたかったのですが、随一のデートスポットだということを知り、勝手に疎外感を覚えていくのを止めました。さらに、そこから、なんか迷って、迷って、迷っているうちにいつの間にか横浜を抜けて、国道16号に出ていました。

 て、ここからは只管横須賀を目指しました。この道も非常に快調に飛ばせました。とちゅうで信号を待っているときに、おじさんに声をかけられました。旅をしているというと、とんでもなく羨ましがられて、応援されました。嬉しかったです。

 金沢文庫は、ついついスルーしてしまいました。あまりにも快調に飛ばしていて、ああ、止まりたくない…と思ってしまったからです。そしていい感じのペースで横須賀へとつきました。ここまでにはトンネルのゲキシバが待っていました。どれも短いトンネルですがいい加減にしろというくらい続きました。あと、ここら辺から少しずつアップが出てきました。

 き着いた、横須賀では三笠公園に行きました。ここかなって道を行っていたら、アメリカ兵がバリケードを張っていて、さすがにそこを強行突破する機にはなれなかったので、別の道を行くとたどり着けました。公園は割りと広くて野宿には最適でした。自転車はなんと管理人を方がわざわざ管理人室のとなりに置かせてくれました。管理人さんの親切に心温まりました。公園には日本海海戦の覇者が東郷平八郎の像と共にありました。「日本海海戦勝利100周年」だそうです。おお!すごい。そういえば、今中国でも対日勝利60周年なんですよね。Iさん大丈夫かな〜。そう、今日はぼくの最も尊敬する先輩にして恐らく、東日本でトップクラスの実力を誇る東大運動会自転車部エース、I先輩が「シルクロードを横断するよ」と言い残してひとり去られる日なのです。色々、ハプニングもあったようですが無事成田を出発できたようです。もちろん、あれから音沙汰ないけど。

 須賀から観音崎は少し迷ったもののするりといけました。ただ、だんだんアップが現実味を増してきました。100アップに満たないけれど90アップはあるだろうというような非常に微妙なアップにこの後悩まされ続けるのです。

 観音崎に着いたのは11時。4時間で75キロほど走ったことになります。悪いペースではありませんが、はやりノー装備の時に比べるとスピードは大幅に落ちます。観音崎はとても晴れていて、海も穏やかで心から来てよかったと思える場所でした。浜辺で食事にしましたが非常に寒かったです。はやりまだ冬か!灯台では、女の子に写真を頼まれて、久しぶりに女性と会話することになりました。(って、うわ、我ながら寂しい文章だ)。切なさをここで振り切るため、「バレンタインのばっきゃーろー!!」と叫んで、観音崎を後にしたのでした。

 こからは城ヶ島へ向かいます。初めは走りやすかったのですが、浦賀を過ぎたあたりからいよいよアップモードに入り、しばらく行った風車のある丘までのアップはかなりガッツリときました。そう、風力発電機が2機ほど立っている公園があって、ここも野宿にはぴったりの場所だったのですが、(ってさっきからそればっかですね)、そこが非常に美しい場所だったのです。道路を登りきった場所にある小さな岬の丘に、広々とした公園、そこに建つ2つの風車、さらに丘の上からは小さな漁港とただ青い冬の海、暖かな春の空が広がるのです。いいな〜と、思ってただただ、ぼーっとしていました。

 しかし、悲劇は起きたのです。城ヶ島崎の漁村まで来たところでパンク。まあ、いつものことですが。仕方ないので、近くの家に自転車を立てかけさせてもらって修理。そしたら家の女の子が「ままー、あのひとなにしてるの?」だって。その通り、何してんだか。そのあと、おじさんがやってきて、東京から来たといったらたいそう感心されて近くのガソリンスタンドを紹介してくれました。そこのガソリンスタンドの人々も親切で水を分けてもらって修理できました。その間に話は弾んですっかり仲良くなれました。湾が非常に美しい漁村でした。

 の後は、只管鎌倉方面に向けて走りましたが、あまり記憶にありません。とにかく景色がよかったのと、思ったよりアップがあったことくらいです。特に、県道に入ってからは、美しい景色と共に、トラックの群れと、空腹に悩まされました。コンビニでなんとか食料を補給して、再出発したのですが、その後、鎌倉につくまでも、色々とトンネルだとかアップが続いて、思うようにスピードが出ないのです。おっかしいな、と思っていたら、なんとまた!パンクしていたのでした。どおりで走りにくかったわけだ。でも、修理がめんどうくさかったので、空気だけ入れて粘りきることにしました。

 鎌倉は自転車部の新歓ランで来たところで、懐かしさ溢れました。しかし、さっきのパンク爆走が響いたのかすこし体に疲れも覚えました。江ノ島まではあと少しだと言い聞かせて、パンク自転車は走り始めたのでした。

 いよいよ、ゴール江ノ島!空気は抜けきっていました…。ここまでで9時間もかかっています。パンク修理が1時間もかかったのが痛かったです。今度からはチューブ交換で対処しよう。そこから、小田急で家に帰りました。途中で、電車内にスーパーヒーローの格好のコスプレをしたおじさんが入ってきて「…か、かっこいい!!」と思った意外には特筆すべきことはありませんでした。

 うして、こんかいのバレンタインランは終わりました。バレンタインチョコは結局もらえなかったけれど、いろいろな人と出会えて沢山の愛をもらえたのでとてもよかったと思います。しかし、その後、自転車のパンクは救いようもなく致命的なものだと判り、みごとにチューブ交換となってしまったのでした。さて、今週末からの東海道も頑張りますか!

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