Non stop run 報告書〜やっちゃいけない〜

 

「単独ノンストップラン報告書」               

 

     20041122日、23日決行。

     距離、アップ;390.99キロ、約1000アップ?(ノンストップ)

     タイム;27時間30

     報告

     1月21日7時起床。この日は非常によく晴れていました。明日も晴れることを祈ります。さて、まずは駒場祭に顔を出しに行きました。そしたら、駒祭委員会に正門からは入れないといわれました。結構強く迫ったのですが、相当困らせてしまったのでやめました。我ながらかなり迷惑な東大生となってしまいました。さて、こんなことでめげるのもなんなので裏門からこっそり入りました。クラスの模擬店ではみんな忙しそうに働いていました。友人と少し話して、仕事を手伝ってから、声援を受けつつ東大を後にしました。さて、ぼくが向かったのは渋谷の新南口というかなりマニアックな改札口です。ここはいわゆるハチ公のいる渋谷駅前とかなり離れた、埼京線専門の改札口で、輪工にもってこいなのです。そこで輪工して、JRに乗りました。あとは、まったり、ただまったりと電車の中。今回の出発地である、山形へと向かいました。1630頃に日がくれました。明日はこうなった時からが勝負なんだなっておもうと、緊張と不安に教われました。同時に今みんな(自転車部のみんなは、ぼくより一日早く同じプランに挑戦しています。)も頑張っているんだろうなと、思い自分を奮起させました。

     て、山形駅はきれいな駅でした。少し迷ったけれども、スーパーホテルにも着きました。このホテルはぼくが旅人になってから気に入ってごひいきにさせていただいているホテルで、まあ、とにかく安くて最高のホテルなのです。

     そして!!当日。

     ごはんはデラックス朝食とか言う名前のもので、非常に豪華でした。そしてそれを満腹になるまで食べると、ぼくは遂に、運命の冒険(言いすぎ)に出発したのです。天気は晴天。いい感じです。

 

     ;(1h10m);初めの20キロは山形を抜けるルートでした。そして!また例によって、道を間違えてしまうというしまりを犯してしまいました。がーん。ジモティーさん、(とてもやさしいおばあさんでしたが)、に道を教えてもらって、ぼくは急いだのです。ところが、なんと向かい風で全くスピードが出ません。あせりは禁物なのに、後ろの荷物がうざったくて仕方がなかったです。というのも、ぼくは今回のランに、なんとテントがあれば合宿装備になるという、かなりの重装備で来ているのです。このランは非常に過酷なのでいつ何が起こるかわかりません。よって最大限の備えはしていくべきなのです。そしてその結果がこれなのです。あまりにもの非効率具合に涙がちょちょぎれる思いでしたが、でもっ!!ここでくじけていては夢はかなえられません。ファイトです、ぼく!

     ;(1h30m);さて、ここからアップです。太陽はまぶしく絶好のアップ日よりでした。基本的に休憩の前には軽い体操を行ないました。これが後から功を奏し、体への負担が少なくて済みました。そして、遂に出発。初めは非常に緩やかでのどかなアップでした。しかし!!ここでありえない展開が発生。なんと、県道13号の金山峠が工事中で通行止めだったのです。なんど、工事現場の人に頼んでも、だめでした。迂回道は20キロ以上距離が伸びるだけでなく、峠が一つ増えるという最悪さです、おじさんたちに「お兄ちゃんならやれるよ、頑張れ!!」と応援されてしまう始末。応援されて機嫌を良くしたぼくは、仕方なく頑張ることにしました。さて、迂回路は結構なゆるさのアップでした。柏木峠は難なく突破、しかし、この後の国道113号から、長いトンネル、ヘアピン、激しいアップがぼくを待っていたのでした。紅葉はきれいだったんです。でも、見る余裕すらほとんどなかった。二井宿峠を越えると、やっと下りになったのでした。

     ;(35分);ここも楽なアップがあっただけでした。何よりも湖畔の景色が美しかったです。必然的にテンションも上がり、スピードも上がり、平地スピード最高時速51km/hをたたき出しました。しかし、湖畔の橋はなかなか曲者で、通りにくかったです。さて、休憩所において、友人とメールでアクセス。色々、今回の道路状況を教えてもらいました。体もいい感じで温まってきていて、頑張っていけそうでした。

     4;1時間40分);ここで今日3つ目、最後の峠、小坂峠を越えました。まず、ここまでの道がわからなくて、郵便局にヘルプに行ったら、すごく親切に教えてくれました。この峠までの道はひたすらきつくて、頼みの茶屋も閉まっていました。しかも、ここプランには24キロと書いてあるのに、実際は30キロもあるし。というか、このプランは本当にいい加減で、よくありません。だれだよ!これ作ったプランナー!!って、勝手に拝借したぼくがいえたことではありませんが(笑)。峠を越えると、疲れがどっと出たので、まったりと下りました。この次のセブンイレブンで昼食をとりました。そうそう、ここで買い物サービスのくじを引いたら、ジュースが当たってしまいました。ラッキー!!

     ;(1時間);さて、福島市街を走ります。ここはすっとスルーできたのですが、途中から山入り。ここの国道4号のトラックに悩まされます。しかも、アップがやたら多いし。道の駅足立で、やっと休憩を取っていると、友人の方から応援メールが!嬉しかったです。しかも、ここの道の駅のトイレは非常に広く美しかったです。ここで、野宿してもよいでしょう。

     ;(50分);さて、ここら辺から、日が暮れ始めました。いよいよ、勝負です。体も疲れ始めてきて、ここからは精神力、体力、共に試されることになりそうです。道は比較的下り。走りやすかったです。

     ;(1時間3分);ここら辺で、郡山です。この市街は走りにくかったです。なんど、こけそうになったことか。一度、パンクしかけて止まったことすらありました。ここら辺で、ライトオン。既に日は落ちています。少し、予定より遅れ気味です。でも、焦ってはいけませんね。郡山駅は少しちら見できたと思います。

     ;(1時間);まあ、真っ暗ですね。思い出したくもありませんね。道は危険だし。車は多いし。パンクも心配だし、出来るだけまったり行きました。でも、精神的にきつかったなあ。

     ;(47分);ああ、もう、道が全く見えない!しかも、ぼくの前ライトはとにかく回りを照らしてくれないのです。フロントバックも邪魔だったし、ついでにダイオード光だからもともと照らすのには向いていないし。歩道の部分に乗り上げて、痛い思いはするし、まさに一人でランをする最大の短所がもろに出てしまったのです。トラックももっとゆっくり走れよ。ほんと、ここのテンションが勝負でしたね。さて、ここのセブンイレブンで、白河駅を見ながら休憩。ぼくは、まだ何も知らなかったのです、この後ぼくを待っていた地獄を。

     10;(1時間20分);だから、もう、思い出したくもない地獄なんです。ここは。真っ暗、ただ真っ暗。前は全く見えません。自分が進んでるとこが道路なのかすらもわかりません。歩道もありません、車道しか、ありません。でも、車道には。勿論、当然のごとく、トラックが。しかも!! 何で奴らあんなに飛ばしてるんだ!? 少なくとも80キロは出ています。高速かよ!ここは。しかも、ここプランではたった70アップになっているのに、絶対うそ!!猛烈なアップ。死ぬ、と思いました。少なくとも、轢かれはする。だって、ぼくすれすれを100キロの鉄の物体がすり抜けていくんですよ?! もう、だめだって思いました。素直に止まればいいのに、ぼくは、ここが勝負どころだって思って、頑張ってこぎ続けました。今思えば、すごすぎです。もはや、無謀、蛮勇、無鉄砲etc.としか言いようがありません。でも、こんななかで、勇気を出そうと思ったぼくは、我ながら、かっこよすぎて、バカです。瀕死になりながら、途中のコンビニにたどり着いて、母に「やばい、死ぬ」と最期(?)の電話を送りました。しかし!携帯の電池が切れかかっていたため、電話はすぐに切らざるを得ませんでした。家族には、迷惑かけました。でも、本当に、もう持たないと思いました。だって、後これが、40キロくらい続くのですから。ああ、こんなことなら好きな人に、轢かれて死ぬ前に、愛の告白をしとこうかなと思って、携帯を手に取りましたが、もしこれで、仮に生きて帰ってしまったりしたら恥ずかしくて会わせる顔もないし、万が一、「きらい」とでもいわれたら、「死を覚悟してまで電話したぼくの立場は一体…?!」というなにやら非常に空しい展開になりそうだったので、少し考えて、止めました。さて、コンビに付近の人に情報収集していると、やくざのおじさんが、なんと右側に歩道があるということを教えてくれました。なんと親切!で、ここからはその歩道とやらを通ることにしたのです。

     11;(1時間15分);歩道は、本当に真っ暗で、道は全く見えませんでした。すぐ脇に溝があるのに気づかないとかひやひやモノでした。しかも、すこしスピードを上げると、そのまま植木に突っ込んで、空中に放り出されて、さらに一回転して、こけて、その上に自転車が乗っかってくるという、我ながらアクロバットな二度目の事故を起こしました。しかし、車道を走っていたら、かなりの確率でトラックの餌食となっていたでしょう。歩道を走っていて、これでも助かったほうなのです。ここら辺はゆっくり時速10キロ弱で走っていたとおもいます。そうしなければ、危険すぎました。

     12;(50分);またもや、真っ暗、もう、なんかこの状況が普通になってきています。なんとぶつかりそうになったことか。しかも、山の中。しかも、どうして、車はこんなにも飛ばすのか。歩道がどうして途中で切れているのか、どうしてここぞという時に工事をしているのか、疑問は絶えませんでした。ここらから、後半戦なのです。頑張っていきたいです。

     13;(45分);さて、やっと山から抜けました。ただ、分岐がわかりにくくて、しかも、かなりの交通量で、ピンチでした。なんか、高速道を走っているみたいでした。でも、月明かりでなんとかなりました。月明かりの偉大さを知りました。市街地にはまだ杯ってはいません。でも、だんだん街灯が見られるようになりました。ねむけはまだありません。

 

     14;(1時間);さて、宇都宮市に入りました。満天の星空、満月です。パイパス別れから、車も少なくなりました。助かりました。宇都宮市内も、走りやすく、よかったです。でも、かなり疲れがたまってきたので、仕方なく、軽食にしました。いつもそうですが、ぼくは食事は沢山食べることにしています。自転車の旅では、自分の体力だけが、便りですから。そして、ぼくは今日も、甘いケーキをたらふく頬張るのです。

     15;(55分);あまりにも、寒くなってきたので、遂にゴアを装着。ああ、あったかかったです。ぼーーっとしてしまいました。ねむいです。体も相当疲れてきています。なんか、単調で、時々トラックが猛スピードで通っていく意外はこれといって刺激のない道。そうそう、さっき休憩に使ったコンビにでは、不良君達がいよいよけんかをしようとしていました。いつもなら、憂さ晴らしに勝手に参戦して目に付いた方々を適当に半殺しにでもさせてもらいたいところですが、今日ばかりは遠慮して、出発しました。

     16;(1時間5分);眠気はだいぶ収まってきました。ゴールに急いでしまう気持ちを自分で抑えます。自転車で事故が起こるのは大体、走り始めと、ゴール直前に決まっているからです。1キロ1キロ確実に攻めていきたいところです。先輩が、メールをくれました。一人で走っていると、特に刺激もないので、応援メールはとても嬉しいです。なんども、みんなのメールを読み返しました。まずい、これではまた先輩に携帯依存症扱いされてしまう!!

     17;(1時間15分);遂に、利根川を渡ります。にしても、なんと走りにくいのか、この橋。国土交通省は、なにやってるんだ?しかも、道路は完全に高速並だし。ここら辺から、朝焼けが始まりました。ああ、日があけるのも近いなって思いました。だんだん明るくなってきます。油断して、道を2度も間違えてしまいました。でも、朝が近くなってきたこともあり、テンションは上がってきました。夜の深遠の闇からもこれで開放されます。

     18;(50分);遂に、夜が明けました。しかし、体の疲れは既にピークに。さっきのコンビニで食べた朝食のカップラーメンも響きます。ここで24時間経過。348キロの記録を出しました。まだ気を抜けません。ここら辺は、家庭教師をさせてもらっているの家の周辺、東部伊勢崎線付近です。

     19;(1時間15分);道がわかりにくく苦労しました。もう、東京です。ああ、長かったなーって感じです。しかし、よく迷いました。でも、あの夜の闇に比べると、まだましかな。で、最期の休憩。最期まで、基本体操は欠かさずに行ないました。これが功を奏してか、ちゃんと最期まで走りきれそうです。

     20;(1時間45分);結論から言えば、迷ったのです。本当に迷いました。わかりにくすぎるのです。東京は。でも、この頃になると、応援してくれる、部活や、クラスのみんなからのメールが届いて嬉しかったです。最期の一踏ん張りをして、1110分、東大の裏門にゴールしました。天気は、快晴です。

     わりに;ゴールした時は、本当に嬉しかったです。部活のみんなやクラスの人が迎えてくれました。その後、クラスの模擬店に行く途中も、模擬店でも、会った友達みんなが、ねぎらってくれました。先輩からも、ジュースの差し入れをいただきました。本当に、みんな応援ありがとう!!こうして、ぼくの無謀極まりない、単独ノンストップラン(合宿装備済み)は成功に終わりました。二度としたくはありません(笑)。本当に皆さんありがとうございました!!

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