□2005年度、第29回、伊豆・戸田マラソンの報告書です。 ・開催日;2005/10/30(曇りのち晴れ) ・42.195km,1000up |
<報告書〜前編〜> 2004年の秋、伊豆半島を台風が直撃した。 そして、第29回伊豆・戸田マラソンは、戸田村(当時)の道路寸断とがけ崩れにより、中止となったのだった。 ぼくは! ぼくは、別にマラソンが好きなわけでもなく、体系的にも思い切り筋肉質なので有酸素系のスポーツには不向きで、まさか自分がフルマラを走るなんて思いもしなかったのだが、去年はちょっとした理由(自転車部員のほかのヤツが参加するのに、ぼくがしないのはなんか悔しい、とかいうしょうもない理由)により、エントリーしてしまったのだった。 そうして、ちょっと練習してみたりした。 だが!! 突然の中止。 ぼくは、その衝撃の事実に、安堵し、そして愕然としたのだった。 あれから、一年の月日がたとうとしていた。 なんだかんだいって、やっぱり今年も戸田マラの季節がやってきた。 ―――戸田マラソン。 知る人ぞ知る、超凶悪フルマラソンである。 伊豆半島の、沼田市戸田地区で開催される、42.195km、上りが延べ1000メートルという、さらには、峠が3つあるよ〜!なんていう、いまどきのマラソンにしてはサービス精神満点のマラソンだ。 あまりに、過酷過ぎて、マラソン協会に公式コースとして認められていないため非常にマイナーで、埼玉県で行なわれる同名の戸田マラソンにその存在を常に脅かされている。 ぼくが参加したのは、戸田(へだ)マラソン。彩湖の戸田マラソンではない。 うちの体育会(うちの大学では運動会という)の主催する、学内、学外のOB、関係者が参加する、そんなちょっとこじんまりした、でも、最高に過酷なドラマが繰り広げられる、そんなマラソンだ。 昼ドラでいうと、例えばいきなり初回から、“学校から帰ってきた娘に、不倫をしている母親とその不倫相手とのちょっと名状しがたいシーンを目撃され、娘(小学生)に速攻でグレられる→ここでCM”といった感じの、過酷なドラマっぷりだ。 そんな戸田マラ、今年は、どうしてか、走りたくなった。 実は、この一年でちょっとした自信がついていた。 心拍数が、一年前の71回/分、から、40〜50回/分に激減! 日ごろのチャリ旅により、肺活量、血流、なにもかもが向上していた(ただし、足の速さはあまり変わっていなかった) 強みは、心肺機能にあり! マラソンも苦しくない!……かも。 そこで、 今年も、エントリーすることにした。 初めは、個人参加でいくつもりだったのだが、自転車部の先輩が快諾してくれて、自転車部のチーム「アウタートップ」としての参加となった。 前々日、前日、はちゃんと健康診断へ行った。 練習も週2回(今思えばかなり少なくて敗因に繋がった)、川辺やトラックを15キロほど走った。 イメージトレーニングも欠かさずやった(注;自分がゴールのテープを切る瞬間のイメトレだ!やっているだけで、根拠なくいい気分になれるのでよい!) そして、遂に、集合の10月29日がやってきたのだった! |
10月29日。 ぼくは集合の沼津港にいた、 しかし、誰もいなかった。 やばい!いつもどおり、集合場所をまちがえたか?? と、焦ってみたものの、どう考えてもこことしか思えず、 しかたないので、ちょっと離れた公園で、またーり鳩と戯れていた。 ―――戯れること40分。 いい加減に鳩の相手も飽きてきて、あちらもぼくに飽きてきていたので、ぼくたちは別れて、ぼくは再び港へ向かった。 すると、港では先輩方、そして、今回走る、ランナー君(仮名)、クリリンくん(仮名)、シケ長(仮名)、ミヤウチくん(仮名)などの同輩くんたちもいて、久しぶりに盛り上がった。 すると、雨が降ってきた! 雲行きはいよいよ怪しくなり、どす黒い港をカモメたちが不気味に舞う。 ああ、闘いが始まるのだ! 船で戸田へ行き、そして、大学所有の寮、戸田寮でみなは、食事、風呂、そして、明日への心の準備をするはずだった。 だが、実際は、つくなり、トランプを始め、人生ゲームを始め、寝る前には、とっとと寝ればいいのに恋バナを始めた(いずれもぼくがけしかけた感が否めないが、その点に関しては割愛する) ちなみに、開会式が夜にあったが、そのあまりにもの、すばらしいお偉い様方の開会の辞に我々は、心安らかな睡魔に襲われた。 そうそう! 夕食は、一般人の3倍の食事量を誇る自転車部にとってはあまりに少なくて、先輩に3キロ離れたスーパーに買い物に行っていただいて、皆で夜食を取った。 ぼくは、サラダ巻きを頼んでおいたはずなのに、なぜか?一束のゆでたほうれん草が買われてきた。 先輩方の、それはそれは暖かなそして何の脈落性もない心配りだった。 ぼくは、思わず感激で顔が引きつってしまったが、その後、観念して先輩と仲良く分けて食べた。 非常に美味しかった。 そんなこんなで、戸田の夜は更けてゆく。 明日は、どんなに苦しいのだろう。 そして、どんなに楽しいのだろう。 ぼくは、興奮してなかなか寝付けなかった……。 |