日本縦断ツアーの報告書です。 今回は、九州編、7月28日の報告です! |
□7月28日;「紡がれ始めるは灼熱の大地」 <走行記録> 天気;晴れ 距離とアップ;113.87km、1300up 最高時速;43.5km/h. 平均時速;19.9km/h. ルート ;佐多〜鹿屋〜大隅〜末吉〜都城 宿泊 ;都城ユース 洗濯の洗剤がタダ!個室。テレビ、クーラーあり。民宿がユースになっている。 入浴 ;都城ユース <道路情報> ・ 国道269はゆるいアップがコンスタントに続く。途中激坂。 ・ 鹿屋から大隅にかけてはガッツリなアップが一部あり。 ・ 途中から旧志布志線の廃線跡を利用した自転車道あり。 <報告書>「紡がれ始めるは灼熱の大地」 暑い! なんか昨日もおんなじことを書いた気がするが、やっぱり、暑い! 普段は日の出とともに起きるぼくだが、その前に、そのあまりの蒸し暑さに、喘ぎ起きた。 寝汗はぐっしょりかいてしまっていて、テントのなかはサウナみたいだ。 気分が悪くなって外に出ると、さっそくアブの集中攻撃を受ける。 とりあえず、朝なので、軽く運動をして体を慣らした後、恒例の腕立て伏せを行う。 三つ子の魂100までというが、中学1年からちょっとした体作りのために始めた腕立て伏せも、もう完全に習慣になってしまい、一度もサボることなく早9年が過ぎようとしている。 海辺のちょっとしたスペースで腕立てを始めると、やはりアブがここぞとばかりに集ってきた。 かといって途中でやめるわけにもいかないので、格闘しながら続けて、ちょうど100回に達するころ目の前が急に眩しくなった。 朝だ! 海辺の向こうにある山から太陽が顔を出したのである。 これを機にいっせいに蝉が鳴き出す。 辺りは急に忙しくなってきた。 佐多岬。 昨日、バスで行ったが、今日は自転車で行こうと思って、朝食の前に散歩がてら行ってきた。 だが、そんな簡単なものじゃなかった。 鬼のような斜度のアップ。上って、上って、上る。 すぐにハンドルを握る手から汗がぽたぽた点滴のように流れていく。 ああ、せめて水持ってくるんだったよ。と、後悔してももう遅い。 地元の人にあいさつをして、道を聞きながら、一応自転車でいける最南端のバス停を目指した。 地獄アップを経て、がっつり下って、ちょっと行けば、それは割と簡単に見つかった。 ここから先はバリケードを超えていけば、佐多岬までいけないことは無いが、地元の人がけっこういたので、やめといた。 とりあえず、ここが出発地だ! ここから北を目指す。 よし!いくぞ! と、気合を入れてみたところで目の前に立ちはだかるさっき下りてきた坂を見て萎えた。 そうだった!ピストンしなければいけないんだった…(泣) さらに、昨日死ぬ思いをした県道68もピストンして、国道269でもわりとアップして、そんでもって小雨にしっとり濡れて、やっと鹿屋かと思うと、やはりこの町もアップに彩られた坂の町だった。 あるんだ。 こういう町って。 長崎とか、尾道とか、小樽とか、ローザンヌとか。坂と一体になった町。 チャリダー冥利に尽きる町! へとへとになって、スーパーに逃げ込むと、うなぎを売っていた!今日は土用の丑の日だったのだ! うなぎ=スタミナ、の図式にのっとって早速奮発して買った。 こういう季節イベントにはめっぽう弱い。 |
国道269については語るに語りつくせない辛さ+暑さ。 でも、 わりと迷ったら、おばあさんらに道案内をしてもらったり。 暑くて公園の水を浴びていたら、トラックのおじさんに応援されたり。 疲れ果ててると、ブログにコメントを受信して、励まされたりした。(ありがとうございました!) こうして、なんとかひいひい言いながら、鬼のような坂を上りきって、道の駅大隅やごろうの里に着いた。 とりあえず、休憩所に駆け込むと。クーラーが聞いてなくて密封状態だったので速攻で熱気に燻し出されてしまった。 仕方なく、この道の駅を散策してみることに。 で! 気付いたのだが、この駅、やたら広い。多分、東京ドームN個分って感じ。 温泉もあり、公園もあり、川も流れるわ、アスレチックまである。 さらに、ここの奥にはこの道の駅の名称のもとになった「やごろうどん」の像がある。 この像がまたでかい!! 非常にでかい!でかい巨像展の世界大会に出展されたくらいでかい! そのインパクトに圧倒されて、思わず凝視してしまったのだった。 でかい、でかいよ!やごろうどん!! ここから、ちょっと言った所から、旧志布志線を利用した自転車道があって、そこは非常に走りやすいといろいろな旅人から聞いていた。 国道と並行して走っていたからすぐにわかって、さっそく合流! しばらく走って解った。 ―――いい! これは、もう最高の道だった。 自転車しか走っていない。車に轢かれる心配をしなくていい、そんな幸せ。 ゆっくりと自分のペースで走れる幸せ。 地元の散歩してる人と挨拶を交わし、使われていた駅舎や、踏み切りの跡で、かつての面影に思いをはせる幸せ。 ただ、まっすぐに、ずうっと先まで伸びる道。 目の前には、ゆれる稲穂の海と、そこから広がる薄水色の空。 バックミラーを見ても、やっぱりおんなじ景色。 車の行き交う国道を彼方に この道だけ時間が止まっていた。 都城のユースでは、ユースのペアレントさんや宿泊客さんたちとすっかり打ち解けて仲良くなれた。 ユースはだから好きだ。 しかし、なによりも書いておきたい事がここである。 それは、ぼくがユースの脇で自転車の整備を行っていた時のこと。 ユースから出てきたおじさんが話しかけてきた。 なんでも、ユースカードを更新しに来たらしい。 そして! 自転車の話で盛り上がった。 なんと、おじさんも嘗て日本を縦断したチャリダーだったのだ。 いろいろためになるお話を聞かせてもらい、楽しかった。 明日はどこに泊まるの? とおじさんが聞くので、 延岡まで行って川原にでも泊まるつもりです、 と応えると、 知り合いが居るから、ちょっと話してみる、もしかしたら泊まらせてもらえるかもしれない、 という。 ええっ?? いいんですか?? と思いながらも、断るのもなんなので頼んでみると、後からユースに再び来てくださって、わざわざ止めてくれる方の家の地図や、電話番号などを教えてくれるなど、便宜を図ってくれた。 あまりにも、嬉しい展開に、もう感謝と恐縮な気分でいっぱいだったが、本当に嬉しくて何度も御礼を言った。 それでも、言い尽くせないほど、お世話になったのだった。 ありがとうございました、Sさん! さて、初日はなかなか順風満帆。 これはいい感じだ。明日は延岡を目指そう! |
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