日本縦断ツアーの報告書です。
    今回は、近畿編、8月7日の報告です!






□8月7日;自転車屋騒動

<走行記録>
天気;晴れ
距離とアップ;160.13km、200up
最高時速;46.5km/h.
平均時速;20.5km/h.
ルート;浄雲寺〜姫路〜明石〜神戸〜京都

<道路情報>

国道250 海岸線は路肩が悪かった、やがて都市部に行くほど広くていい道へ。
国道2  非常にいい道。ただし車多すぎ。
国道171 いい道だが、車が多く、高架との接続でよく鳴らされた。

<報告書>

朝起きて、早速出発した!
今日は、どこまで行けるか分からないけれど、せめて神戸までは行こうと思っていたのだ。
自転車のところへ行こうと、お寺の庭に出ると、ユースのペアレントさんが出迎えに来てくれた。
そして、昨日通った道と別のもっと国道へリンクしやすい道を教えてくれた。
しかし、その道には階段があり、四苦八苦していると手伝ってくれて、ありがたかった。
「女の子一人で大丈夫なの??」なんておっしゃるので、即時に否定しておいた。(いったいなんのために髪を切ったんだ涙)

晴れ渡る瀬戸内の朝。
その潮風のちょっとしょっぱめの匂いがぼくは大好きだ。
目の前右手にサアッと広がる海を横目に、うねうね道をぼくは颯爽とこぎだした。
ちょうど、ラジオ体操が始まった時だった。
パン!というさわやかに空気を割る音。
そして、まったく進めなくなった。
パンクだ。
ちょっと待てよ。パンクなのか?3日連続なのか??
こっちはかなり凹んでいるというのに、ラジオ体操のおじさんは知らん振りで元気よく体操を続ける。
チューブを見てみると、ちょっと修復しようのない穴が開いていた。
と、よくよく考えると、予備のチューブを2本とも使ってしまった。
次、パンクをして、しかも、今回のような、大きなパンクだった場合、チューブの替えがないので非常にやばい。
……なんて思うと、とても心もとなくなって、ぼくは焦り始めた。
一刻も早く自転車屋さんを見つけて、チューブを補充しなければ!
こうして、忙しい8月7日は幕を開けた。

焦って、焦って、焦りまくっているのに、ラジオではのんきにカーペンターズが流れている。
でも、そのユルユルさに少し救われて、ぼくは姫路の南を通る250号を爆走する。
出来るだけ早めに見つけたくて、自転車のスピードはいよいよ上がっていった。
ちょうど、10時にさしかかるころ、自転車屋さんを発見!
駆け込むぼく!
しかし、この自転車屋さんにぼくの自転車に対応するチューブは置かれていなかった。
そう、普通のママチャリ屋では埒があかない。
ちゃんとした、ツーリング用の専門店に行かないといけないのだった。
これはいよいよ難しくなってきた。
道幅が広く快適なのをいいことにぼくは、より自転車のスピードを上げた。
パンクしないで、と祈りながら。

2号線接続の数キロ手前で、照りつける太陽の下でアイスクリームを食べていると、ラジオで面白いニュースが流れていた。
国道2号線で不発弾が見つかったというのだ。 よくもまあ、これだけの幹線道路でいままで見つからなかったなという驚きと、渋滞で気の毒に、という2号線のどこかのエリアの自動車への同情を感じた。

同情されるのは、ぼくだった。
2号線には行ってすぐ、道路には沢山の警察官と、バリケードが張られていた。
不発弾は、実はすぐ前の道路にあったのだ。
とまどっていると、あからさまに怪しい格好をしているぼくは、速攻で警察の聴取の的になった。
だが、そこで日本縦断中です、と答えると、非常に歓迎されて、丁寧に回り道を教えてくれた。
こんなやりとりをなんどか済ませたあと、ぼくはついでに聞いておいた、警察曰く“この付近で一番大きな自転車屋”へと向かっていた。
大分先まで行って、ちょっと行き過ぎたかなと思って引き返し、さらに、周りの人に聞いたところ、どうやら、警察の行っていたお店と同じ名前の店を発見できた。
しかし、そこは自動車の部品店だった。
凹みまくるぼく。
時間を大幅にロスしてしまった!
しょぼくれて、明石城の前でたたずんでいると、チャリダーを発見した。
これは一か八か、チャリダーに話しかけて、自転車屋の情報を得ることにした。
すると、たまたま地元のチャリダーで、神戸にあるという自転車屋を教えてくれたのだ。
ちょっと手前にもあるかしかったが、とりあえず、進行方向の神戸へと向かうことにした!
そのチャリダーの先輩とは、少し一緒に走った。

 


□明石海峡大橋


神戸の街はあまりに暑かった!
車の量も半端でなく、自転車のスピードは落ちる一方だ。
というか、さっき、道路に落ちているガムを踏んでしまい、タイヤの動きがめっぽう悪くなってしまったのだ。
ガム捨てたやつ、許せん!!とか思ったが、そいつが特定できない以上、この怒りは自分で封じ込める以外になかった。
それに輪をかけて、ぼくをいらだたせる夏の太陽。
そして、神戸の街では、しっかり迷わされた。
だが、こうしているうちに、なんとかチャリダーのいう自転車屋を発見できた。
そして、無事、チューブを2本手に入れた。ついでに、予備のブレーキシューも補充しておいた。
お金はたあっっぷりとられたが、応援されたので、よしとしよう。

そして、ぼくは空腹のおなかを抱えて、マクドナルドへと向かった。
油モノが食べたくて、ポテトのLを注文。
しっかり食べて、満腹すると、また、走り出した。
とはいっても、そろそろ今日泊まるところを決めなければならない。
ちょっと、この街中で野宿はいやだなあ、なんて考えていると、後ろから声をかけられた。
さっきの先輩チャリダーだった。
神戸の人とは聞いていたが、また、再会できた。
自転車屋のお礼を行って、また、少し一緒に走る。
スタジオジブリの「ホタルの墓」のモデルと教えてくれた公民館まで来て、ぼくはちょっとそこを見ときたかったので、そこで別れた。

さて、国道2号と、171号との別れまで来た。
いったいどうしてだろう。
もう、4時が来るというのに、この日のぼくは、けっこうハイテンションだった。
色々あって、色々解決したからだろうか。
このままのノリで気分良く京都まで行きたい気分だった。
そこで、京都まで走った。
最後のほうは苦しかったが、西本願寺とそれには全く興味なさそうに歩く地元の人たちを見て、ああ、京都だよ、なんて思った。
日は、いよいよ暮れてきていた。



□ホタルの墓のモデル公民館らしい


  


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